漢字の字形はラテン文字と比較すると桁違いに多いですが、日本で常用する漢字は全体の一割にも満たないはずです。同様にラテン文字でも常用されるものは限られるのではないか、と疑問を持ちました。
Courier 10 Pitch というラテンフォントが Ubuntu 10.04 に搭載されていました。
登録されているグリフは次の通りです。
記号類を含めても227グリフしかありませんけど、一定水準の需要は満たしているようです。
wikipedia の「ISO 8859-1」の解説(カバー範囲)には、
という指摘がありました。
- オランダ語(IJ, ijが足りないがこれらは電子形式では常にIJやijとして表現されるべきである)
- フランス語(Œ, œおよびきわめてまれなŸが足りない; これらは一般に通常は必要なリガチャなしで'OE'や'oeに置き換えられ、トレマなしで'Y'に置き換えられる)
- フィンランド語(外来語で使われるŠ, š, Ž, žが足りない)
「基本ラテン文字」と「ラテン1補助」の範囲には使用頻度の高いグリフが(8bitの制限の中で)集約されているけれど、少し足りないものがある、という指摘のようです。
その「足りない部分」を補っているので「実用的なラテン文字フォント」として利用されているんでしょう。ただし、ギリシャ文字やキリル文字をセットにしたフォントに比べると不十分なので、用途は制限されるようです。
Ubuntu 10.04 搭載フォントとしては、一般的なフォントとは異なるフォルダに登録されていました。
パソコンなどのリソースを浪費したくない場面で役立つよう、敢えて256グリフ以下にしてシステム専用フォルダに登録していると思いましたけど、どうなんでしょう。